専門家コラム 〜声によって変わるクラスの印象〜

声による印象の違い

はじめまして。

元フリーアナウンサーでパーソナルスタイリストの山野ゆかと申します。今回は声によって変化する印象というテーマでコラムを執筆させていただきます。クラス作りの参考にしていただければと思います。

さて、インストラクターってどんなお仕事だと思いますか?

インストラクターも接客業です。広辞苑によると接客業とは「客のもてなしをする職業」とあります。

お客様を大切に!がモットーの接客業ですが、インストラクターの皆さんもこの接客業の心得に基づいて、普段、生徒さんに気持ちよくレッスンを受けてもらい、また先生のレッスンを受けたいと思ってもらえるように心がけているのではないでしょうか?

ここでは、インストラクターの皆さんの日頃のレッスンに役立つポイントを、「声」という観点からご紹介したいと思います。是非、今日のレッスンから実践していただき、先生のファンの生徒さんがお1人でも多く増えるように役立てていただけると光栄です。

 

【目次】

1、接客業における声の重要性

2、声によって与える印象の違い

3、聞いている人が落ち着く話し方・声のトーン

4、聞いている人にやる気を与える話し方・声のトーン

5、発声練習の方法

6、まとめ

1、接客業における声の重要性

声の重要性

「おはようございます」「こんにちはー」「こんばんはー」レッスンに来られた生徒さんに、インストラクターである皆さんは第一声、こんな風に声をかけているのではないでしょうか?

実は、この第一声がすごく重要なのです。

例えば、2軒のお店があります。明るく笑顔で「いらっしゃいませ」というお店と、暗い声で「いらっしゃいませ」というお店、皆さんは、どちらのお店で商品を買いたいと思いますか?当然、明るく笑顔で「いらっしゃいませ」と言ってくれるお店ですよね。

実業家であり、教師、作家でもあるデール・カーネギーは著書の中で、挨拶の大切さをこんな風に説いています。「人に好感を持たれたければ、誰に対しても挨拶をすることだ。挨拶ほど簡単でたやすいコミュニケーション方法はない。」と言っています。

まずは、気持ちの良い挨拶で生徒さんの心を掴んでみて下さい。初めてのレッスンで「どんな先生だろう?」とドキドキしている生徒さんの気持ちもすっとほぐれていくと思います。

 

2、声によって与える印象の違い

声によって与える印象の違い

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンの、「行動によって相手に与える影響は、話す内容が7%、口調や話すスピードが38%、外見や態度が55%」だと言う「メラビアンの法則」は有名ですが、メラビアンも言うように、言葉を発する方が好意的・反感、どちらとも取れる内容のメッセージを発した場合、受け手は、相手の声の調子や態度などから判断します。

インストラクターという職業の場合、先生一人に対して、生徒は多数です。個別に対応すれば誤解を得ることがない場合でも、対大勢だと誤解を生じる場合もあります。この時に大切になってくるのが、「声」なのです。

「声」は、心の鏡です。実験をしてみたいと思います。スマホで自分の声を録音してみて下さい。1テイク目、にこにこ笑顔で「こんにちはー」、2テイク目、ぶすっとした顔で「こんにちはー」。

どうでしたか?声の印象はどちらが良かったですか?きっと1テイク目だったと思います。分かりにくいようでしたら、少し長いセリフで試してみて下さい。きっと分かると思います。

皆さんが、実験で感じたように生徒さんは「インストラクターの声=インストラクターの印象」だったりするのです。インストラクターの表情が生徒さんから見えない場合、生徒さんは耳から聞こえてくる

情報のみが頼りです。ゆえに、インストラクターの「声」でそのインストラクターの印象が決まってしまうこともあるほど、声の印象は大切なのです。

 

3、聞いている人が落ち着く話し方・声のトーン

落ち着く話し方

ヨガインストラクターにとって「声」は、BGM同様、生徒さんの心を落ち着かせるという意味で大切な商売道具です。では、どのような声が聞いていて落ち着く声なのでしょうか?

まず、落ち着かない声とは?キンキンした高い声、早口すぎる声などを思い浮かべると思います。逆に落ち着く声とは?高すぎず低すぎず耳に心地よいトーンの声、早すぎず遅すぎず、適度にゆったり感がある余裕のある声が落ち着く声とされています。芸能人でいうと、森本レオさんのような声、聞いてて落ち着きますよね。

このように聞いている人が落ち着くような声を出す為には、あなた自身が心を落ち着けることが重要です。心が昂ったり、緊張したりすると落ち着いた声は出せません。そのような時には、一旦深呼吸をするなどして、心を落ち着けてから発声するようにしてみて下さい。

 

4、聞いている人にやる気を与える話し方・声のトーン

やる気の出る話し方

ヨガのレッスンでは、生徒さんにゆったりと落ち着いた気持ちで臨んでもらうことが大切だと思いますが、それと同時にヨガのポーズを積極的にしようというやる気を引き出すことも大切です。では、やる

気を与える話し方・声のトーンは、前述した話し方やトーンでいいのでしょうか?答えはノーです。聞き手にやる気を与える為には、ちょっとしたテクニックが必要です。

・やる気を出して欲しい場面では、これまでと少しトーンを変えて力強い感じで(急にスイッチが入ると、生徒さんがびっくりするので徐々に力強さを出していくことも大切です)

・生徒さんの立場になって話す(キツイ場面だけど、もう少し頑張ろう!と思わせるような声かけが重要です)

ちなみに人間は、ゆったりとした時間の流れの中では気持ちもゆったりとなり、早い時間の流れの中では気持ちが高揚します。レッスンの中で、このような時間の流れを作るのはインストラクターです。

 

5、発声練習の方法

では、ここで簡単な発声練習の方法をお教え致します。私の講座でもよくやる方法で、フリーアナウンサーを目指す後輩たちにも伝授し、本番前、手っ取り早く声を出したい時私たちもしています。

ちなみに私は、現場に向かう車の中でよくやっています。対向車のドライバーが見ればちょっと怖いかもしれませんが(笑)

 

大きく口を開け、「あー」とお腹から声を出します。この時に、喉の奥を開くイメージで発声して下さい。何回かする内に、最初の「あー」よりも声の響きがよくなる瞬間があると思います。それが確認でき

ればOK!これで、レッスンの時にもしっかりと生徒さんに伝わる良い声が出ると思います。

 

これがどうしてもできない、感覚が分からないという方は、腹式呼吸ができていないのかもしれません。簡単に腹式呼吸をマスターする方法をお教えします。仰向けに寝転がって、本や新聞、活字をレッス

ンと同じ声のトーンで読み上げて下さい。仰向けに寝て発声する為には、腹式呼吸が不可欠になります。ズボラな方にもできる簡単な腹式呼吸をマスターする方法です。お子様の読み聞かせにもいいかも!

 

6、まとめ

「声」も年齢を重ねるごとに老化します。しかし、磨けば磨くほど輝きを増すのも「声」です。インストラクターの皆さんにとって「声」は大切な商売道具です。日頃から寝る時には加湿器を使ったりマス

クをするなど声の乾燥には十分気を付けて下さい。また、レッスンの前日には、できるだけ刺激物やアルコール類を控えるなど「声」を大切にして欲しいと思います。是非、これらを今日から実践していただ

き、一人でも多くのファンを増やしていただきたいと思います。

 


山野由佳(やまのゆか)

山野由香

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エステティシャン、パーソナルスタイリスト、プリザーブドフラワー講師の資格を持つ異色のフリーアナウンサー。

話し方・コミュニケーション講座の講師としても活動し、小学校や専門学校では言葉の大切さ、上手な活用法などの授業を行うと共に、

近年、パーソナルプロデュース講座も開講し、話し方・外見の改善点を見出し、アドバイスすることによりトータルに魅力アップさせる講座が人気を得ている。

また、言葉のスペシャリストとしての経験・知識を基に、ライター、スピーチライターとしても活動の幅を広げている。

 


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