インストラクターの独立事情。メリットは?収入は?

インストラクターの独立は、働き方改革の推進やワークライフバランスの重視に伴い増加傾向にあります。それまでスタジオで働いていたインストラクターが独立しフリーランスになると、その後の生活はどうなるのでしょうか。

今回は、インストラクターが独立するメリット・デメリット、独立後の収入や長く続けるために留意したいポイントなどを解説します。これから独立を目指しているインストラクターの方は、是非参考にしてください。

インストラクターが独立するメリット・デメリット

スタジオやジムで経験を積み独立したインストラクターの主な働き方は以下の3つ。

・いくつかのスタジオと業務委託契約を結びそこでレッスンをする

・自宅で教室を開く

・出張レッスンする

このような形態で働くと、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

時間・年齢にとらわれず自分のペースで働ける

インストラクターが独立した場合の大きなメリットは、自分の生活ペースに合わせて働くことができるという点です。決められた時間に出退勤する企業のインストラクターとは違い、フリーランスのインストラクターは、働く時間を自由に決められます。

特に育児中は、子ども中心の生活になります。シフト調整が必要な企業所属のインストラクターとは違い、独立したインストラクターは子どもの病気や学校行事などにも柔軟に対応できます。キャリアアップのためのさまざまな活動にも積極的に参加できるでしょう。趣味の時間を確保できるなど、私生活も充実します。

また、定年がないのもメリットの一つです。フリーランスには年齢制限がないので、いくつになっても働くことができます。特にヨガインストラクターは、長く続けやすい仕事。というのも、ヨガ人口は未だ増加中で、「ヨガを含めたフィットネスをこれから始めたい」と思っている人は、50代~60代が最多だからです。ヨガを希望する年齢が高いなら、インストラクターも同年代が好まれるでしょう。

単価を自由に設定できる

インストラクターが独立してフリーランスになった場合、価格は自分で自由に設定できます。時間・レッスン・月額など、価格単位はレッスンメニューによって決めることが多いようです。

企業所属のインストラクターの給料は歩合制が多いですが、フリーランスのインストラクターが業務委託で契約した場合、契約金額は経験や人気度によって大きく変わります。月給制の会社員などとは違い、頑張り次第で収入アップが見込めることも、メリットの一つでしょう。

活躍の場を広げられる

独立したインストラクターは自由度が高くなるため、さまざまなイベントに参加したり自分のイベントを企画したりと、活躍の場を広げることができます。

健康増進イベントの講師として招かれたり、産後のママを対象にしたイベントを企画したりと、特別キャンペーンを実施することで宣伝効果も期待できるでしょう。特定の資格を保有し実績も豊富なインストラクターは、本を出版することも可能です。

デメリット

企業所属のインストラクターが独立した場合、国民健康保険や国民年金保険などの社会保険に自分で加入しなければなりません。会社員の場合は社会保険料の半分は会社が負担してくれますが、フリーランスは全額自己負担となります。さらに年初には確定申告も必要です。

独立したインストラクターに限らず、フリーランスは自分で1年間の経費・税金・売上などを計算し国に届けなければなりません。収入が上がるほど税金も増えますので、効果的な節税対策についても知っておくと安心です。

収入が不安定になる

インストラクターが独立する最大のデメリットは、収入が不安定になることです。特に最近は、数多くのスタジオやジム、スクールが存在しているため、住んでいる地域によっては競争率が高くなることも。

特に独立したばかりの頃は集客数が安定しないため、一定収入を継続的に得るまでには時間がかかるでしょう。さらにスタジオの賃料など諸経費や社会保険も支払わなくてはならないので、収支のバランスを整える必要もあります。フリーランス向けのマネーセミナーなどに参加し、金銭管理のノウハウを学ぶのも一つの手です。

自分で営業活動をしなければならない

インストラクターが独立するということは、お膳立てがなくなるということ。スタジオに所属していれば、運営側が宣伝や営業をしてくれますが、フリーランスになると自分でアピールしなければなりません。

宣伝には色々な方法がありますが、最近ではフェイスブックやインスタグラムなどのSNSの活用が広がりつつあります。これらのSNSは基本的に利用無料。アクセス状況を分析する機能などが付いたビジネスアカウントに登録すれば、より宣伝効果を高めることができます。SNSの大きな利点である拡散力で、認知度のアップも狙えるでしょう。

インストラクターの独立後の収入

独立したインストラクターのレッスン料は人気度や実力によって異なります。レッスン料は「ワンレッスンあたり○○○円」というケースが一般的で、相場は60分~90分につき、2,000円~5,000円程度のようですが、経験の浅いうちは、60分あたり1,000円でレッスンをするインストラクターもいます。

このようにフリーのインストラクターの給料は振り幅が大きくインストラクターの種類にもよりますので一概に言い切れませんが、例えばフリーのスポーツインストラクターやヨガインストラクターの平均年収は、300万~400万ほどといわれています。

参考:https://heikinnenshu.jp/kenkou/yoga.html

独立後、人気のインストラクターになるためには

独立するインストラクターが増えていることから、ユーザー獲得の競争率も高い傾向にあります。フリーランスになった人の半数は1年以内に廃業するというデータもあり、独立後は厳しい生活を送る人も少なくありません。インストラクターが独立後、長く仕事を続けるにはそれなりの経験や実積も必要ですが、独自性や希少性も求められるでしょう。

例えばヨガにも、ホットヨガ・マタニティヨガ・パワーヨガ・ハタヨガなどたくさんの種類があります。インストラクターが仕事を長く続けるためのポイントは、以下3つ。

・特定のジャンルに精通し専門性を持つ

・業界でも有名な資格を取得する

・大手のスクールで豊富な指導経験を積む

「あのジャンルに関しては、○○先生しかいない!」などと知られるようになると、こちらからアクションを起こさずとも、人が集まるようになるでしょう。

まとめ

インストラクターの独立事情、いかがでしたか?昨今は職業の価値観の多様性により、職業選択はもちろん、独立開業を目指す若い世代も増えています。

ただしインストラクターの独立は、新型コロナウイルスなど社会情勢によって大きく左右されることもあります。独立後すぐに廃業にならないよう、しっかり準備しておきましょう。