インストラクターのためのスタジオ開業ガイド!メリットと注意点は?

スタジオの開業に、特定の資格は必要ありません。志があれば誰でも開業を目指すことができます。スタジオの開業にはたくさんのメリットがある一方、注意点もあり、「こんなはずじゃなかった…」と苦境に立たされるインストラクターも少なくありません。

この記事では、インストラクターがスタジオを開業するにあたり大切なポイントを解説します。一般的なスタジオに所属しているけれども、開業を目指している、開業したいけどどうすればよいのか分からないというインストラクターの参考になれば幸いです。

スタジオの開業形態

スタジオを開業する際の主な形態は、以下の3つ。

①自宅をスタジオにして開業する

②レンタルスタジオを利用して開業する

③テナントなどを借りてスタジオにする

インストラクターは、以上のような形態でスタジオを開業できます。それぞれにメリット・デメリットがあり、インストラクターは自分のライフスタイルに合わせてこれらの形態を自由に選ぶことができますが、いくつか組み合わせることで臨機応変に対応することもできます。

スタジオを開業するメリット

スタジオ勤務のインストラクターの中には、開業を夢見ている人も多くいることでしょう。インストラクターがスタジオを開業するのには、どんなメリットがあるのでしょうか。

少ない資金で開業できる

例えばヨガなどの場合、レッスンに必要なのはヨガマットと一畳分のスペースだけ。自宅をスタジオにすれば賃料もかかりません。非常に少ない資金で開業ができます。テナントを借りるとなると、敷金・礼金に加え毎月賃料がかかりますが、テナントより賃料の安いマンションを借りスタジオにするという手も。

スタジオの規模によっては高収入が狙える

一度に多くの人数を収容できるスタジオで人気のインストラクターになれば、1回のレッスンで大人数を相手にできるため、高収入を狙えます。スタジオの規模が大きいほど、賃料や光熱費も高くなりますが、例えば空いた時間はレンタルスタジオにしたり、外部からインストラクターを雇ったりすれば、自分がレッスンをしていなくてもマージンがとれます。

空いた時間を有効に使うことができる

スタジオを開業する最大のメリットは、スキマ時間を有効に使うことが出来る点です。レッスンとレッスンの合間に雑務や家事をこなしたり、ちょっと読書をしたり。何をするのも自由です。スケジュール調整ができるので、プライベートも充実します。

好きなことを仕事にできる

例えば、ヨガが好きでインストラクターになった人は特に、「好き」を仕事にできるため、仕事に関わるストレスが少なくなるといえます。

スタジオを開業する際気を付けたいポイント

インストラクターに限らず、全ての職種が開業した場合に気を付けたいポイントがあります。最低限抑えておきたいポイントは以下の3つ。忘れないようにしましょう!

立地・広さ・雰囲気を重視

スタジオを開業するには、集客に効果的な立地を探す必要があります。面積によって、一度に収容できる人数も決まります。つまり、スタジオの規模によって収益も変わるということ。また、スタジオの雰囲気も集客のための重要なポイントです。当然ながら、薄暗くて不気味な雰囲気のスタジオでのびのびとレッスンは受けられませんし、不衛生だとイメージが悪くなります。スタジオは、なるべく明るくクリーンな雰囲気のところを選びましょう。

毎年確定申告が必要

スタジオを開業したら、その後毎年確定申告が必要です。確定申告の義務が生じるのは、事業所得から所得控除を差し引いたとき残額がある場合です。しかし、開業届を出した場合は、所得にかかわらず確定申告をしておいたほうが良いでしょう。

確定申告には白色と青色がありますが、青色の場合は赤字は3年間繰り越しできるので、赤字であっても確定申告すれば還付金が帰ってくる可能性があります。

領収書類は保存し、帳簿付けをする

スタジオを開業した以後は、事業にかかわる取引の領収書は全て保管しておきましょう。そして、その領収書を基に日々の取引明細を帳簿に記しておくこともお忘れなく。帳簿は確定申告の際必要となります。ちなみに白色の場合は単式帳簿、青色の場合は複式簿記での記帳が必要です。

運転資金は潤沢に

スタジオを開業したその月から高い収益を確保できるとは限りません。開業当初は必要物の購入などの支払いが多くなりがちです。生徒を募ることから始めるとなると、初めの何ヵ月間は収入が不安定になるでしょう。そのため、開業した途端急に収入がガクンと減るインストラクターも少なくありません。生徒が少なくても生活していけるよう、ある程度の資金を準備しておいた方が良いでしょう。

スタジオの開業の流れや必要なもの

インストラクターの仕事と開業は、全く別物。どんなに実積があって人気のインストラクターでも、開業のノウハウがなければその後長く続けることはできません。ここでは、スタジオの開業ステップや必要なものについて解説します。

①事業計画を立てる

勢いや直感だけで開業しても、成功しません。開業の前には事業計画を練ることが必要です。事業計画では、コンセプトやターゲットの明確化、資金の計算、売上予測などを考えます。

②備品・機材を揃える

レッスンに必要な備品や機材を揃えます。空気清浄機やウォーターサーバーなど、レッスンで使うもの以外に必要な物もリストアップし、なるべく予算内に収まるように買いましょう。

③広告・ホームページなどを作成

自分の活動を知ってもらい、集客するためのホームページを作りましょう。ほとんどのお客様はスマホで情報を仕入れ、行くか行かないか判断します。

専門業者に依頼すれば、クオリティが高くSEOにも強いホームページを作ってもらえます。しかし、場合によっては予算オーバーになることも。自分でホームページが作れない、予算が足りないという場合は、無料で利用できるSNSの活用がおすすめです。

④開業届を提出

スタジオを開業したら、原則として1ヵ月以内に開業届を出す必要があります。開業届は、税制の優遇措置を受ける際にも必要となるので、速やかに届け出ましょう。

⑤銀行口座の開設

事業資金とプライベートのお金が混ざらないよう、事業用の口座を作っておきましょう。通帳は、確定申告の際にも必要となる場合があります。銀行によっては、開業届の控えを提出すれば屋号の口座を開設できます。

スタジオの開業後にやるべきこと

スタジオを開業できたとしても、そこがゴールではありません。開業は新たなスタート地点に立ったのも同然。これからが本番です。

スタジオの開業後、まずやるべきことは集客です。レッスンを受けてもらわない限り、収入は得られません。ホームページやSNS、チラシなどを活用し、集客に注力しましょう。

まとめ

スタジオの開業ガイド、いかがでしたか?「これなら私も開業できそう!」「もう少し開業計画を練った方が良さそう…」そう思われたインストラクターもいるのではないでしょうか。

ここに掲載したスタジオ開業のノウハウは、ほんの一部に過ぎません。実際はやることがたくさんあり、いくつか壁にぶつかってしまうこともあるでしょう。そんなときは、既にスタジオを開業しているインストラクターに相談するという手もあります。開業を決めたら、人脈作りにも注力しましょう。