2022,03,10ヨガ

太陽礼拝っていつ何回やればいいの?意味・効果・やり方について解説!

太陽礼拝
太陽礼拝

太陽礼拝とは、全てのヨガのポーズにおいて基本となる一連のポーズです。その起源は奥深く、さまざまな意味が込められているとされ、期待できる効果もたくさんあるんですよ。太陽礼拝のポーズは難易度も低いため、初心者でも実践しやすいメリットがあります。

今回は、太陽礼拝の意味や効果、ポーズのとり方まで詳しく解説します。ヨガの基本が詰まった太陽礼拝を覚えれば、自分のレベルに合ったポージングが可能ですよ。ぜひ身に付けてみてくださいね。

太陽礼拝とは?

太陽礼拝

太陽礼拝が考案されたのは1910年頃と、意外にも最近のことです。考案者は西インド王国のアッパ・パント王子。彼は著書の中でこう語っています(一部抜粋)。

“体のエネルギーの中心を活性化することができる。創造の調和や喜び、そして美しさを感じることができるだろう。I(自)とNO I(他)という、相違から生まれてくる混乱や衝突は打消され、純粋な愛・思いやり・慈悲の気持ちが内側に芽生えてくるスーリヤナ・マスカーラは、このONENESS(自他の融合、ひとつであること)への意識へと、あなたを導くだろう”

「太陽に挨拶し、太陽の恵みに感謝する」という意味が込められている太陽礼拝。神の化身である太陽への祈りを、体で表現しているんですね。

太陽礼拝のサンスクリット語の呼び名は「スーリヤ・ナマスカーラ」または「スーリャ・ナマスカル」。スーリヤは「太陽」を、ナマスカーラは、「礼拝」を表しています。

太陽礼拝の特徴

太陽礼拝では、連続したシンプルな12のポーズをとります。12のポーズは、太陽が1年かけて黄道十二宮を1周することに由来。「太陽への畏敬の念」「1年の移ろいの中で感じられるさまざまな気付き」、「一生に込められた祈り」など、ポーズそれぞれに意味が込められています。

ポーズは流派やインストラクターによって多少異なっていますが、基本的には前屈と後屈を繰り返す動きで成り、吸いながら1ポーズ、吐きながら1ポーズで進めていきます。呼吸を意識しながら一連のポーズを順番通りに実践していくので、一度覚えれば、あとは繰り返していくだけ。初心者でも簡単に取り組むことがでますよ。

太陽礼拝が重視される理由

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太陽礼拝はヨガレッスンでも取り入れられることが多いポーズです。なぜ、重視されているのでしょうか。

全身が活性化されるから

太陽礼拝では、体全体をゆっくりと動かしながらポーズをとります。背中・腹部・股関節回り・肩など大きな部位を動かすので、ウォーミングアップとしてもよく取り入れられています。習慣化させることで、全身の筋肉がほぐれて柔軟性が高まります。

バリエーションが豊富で自由度が高いから

太陽礼拝では、自分のレベルや体調に合わせて自由にポーズを組み合わせることができます。その日の気分や意識したい部位に応じて、アレンジすることでより効果を高めることができるでしょう。太陽礼拝はインストラクターによってもバリエーションが多様であり、初心者から上級者までそれぞれのレベルに合わせて調整が可能です。

分を内観できるから

太陽礼拝を習慣化させると、自分の変化に気付きやすくなります。太陽礼拝にはアームバランスや逆転のポーズなど難しいポーズはないため、自分の意識に集中することができるからです。忙しい毎日でも太陽礼拝を習慣にすることで、雑念がリセットされ、頭の中がスッキリします。仕事も捗るでしょう。このことからも太陽礼拝は、「動きの瞑想」とも呼ばれています。

太陽礼拝の効果

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太陽礼拝が心身にもたらす効果について、詳しく解説します。

不定愁訴の改善

ある研究では、太陽礼拝を1日24サイクル、週6日を24週にわたって行ったところ、体重と体脂肪率が減ったことが分かったそうです。また、更年期の寝汗や不眠にも効果があることが証明されました。

ストレスの解消

太陽礼拝は、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを分泌するといわれています。セロトニンは、イライラを和らげ、うつ病などを予防するホルモン。自律神経のバランスを整え、心が安定します。太陽礼拝をすると「スッキリする」というのは、セロトニンの分泌が大きく関わっているからなんですね。

体の引き締め

太陽礼拝では、太ももやふくらはぎ、足首に負荷を与えるので、シェイプアップに効果が期待できます。また、O脚の改善やバスト・ヒップの引き締めといった美容効果も。

ヨガの効果についてはこちらの記事からも!

太陽礼拝のポーズのとり方

太陽礼拝

太陽礼拝の基本的な12ポーズは、以下の通り。それぞれのやり方と期待できる効果について解説します。

1.タダーサナ(山のポーズ)
2.ウールドヴァ・ハスターサナ(両手を強く上に伸ばすポーズ)
3.ウッターナーサナ(前屈)
4.アルダ・ウッターナーサナ(半分の前屈)
5.クンバカーサナ(板のポーズ)
6.チャトランガ・ダンダアーサナ(四肢で支える杖のポーズ)
7.ウルドワ・ムカ・シュバナーサナ(上向きの犬のポーズ)
8.アド・ムカ・シュバーナーサナ(下向きの犬のポーズ)
9.アルダ・ウッターナーサナ(半分の前屈)
10.ウッターナーサナ(前屈)
11.ウールドヴァ・ハスターサナ(両手を強く上に伸ばすポーズ)
12.タダーサナ(山のポーズ)

1.タダーサナ(山のポーズ)

つま先とかかとを揃えて立ち、肩の力を抜いて背筋を伸ばします。両手を胸の前で合わせ、合掌します。全身をリラックスさせることがポイントです。

直立した姿勢をキープすることで、姿勢改善の効果が期待できます。

2.ウールドヴァ・ハスターサナ(両手を強く上に伸ばすポーズ)

そのまま息を深く吸いながら、両手をまっすぐ上に伸ばします。胸を開いて、全身に新鮮な空気を取り込みましょう。

肩周りや二の腕を伸ばすので、ストレッチ効果が期待できます。ただし、肩や腰に力が入らないように気をつけましょう。

3.ウッターナーサナ(前屈)

息を吐きながら、腰を基点に体を前に倒して前屈します。硬い人は、膝を曲げてもOK。顔は上を向きます。

背中のストレッチ・腰や太ももの筋力アップ・血行促進・肩こりに効果が期待できます。

4.アルダ・ウッターナーサナ(半分の前屈)

息を吐きながら、右足を大きく後ろへ引きます。このとき、つま先を床につけたまま。お尻が上がったり下がったりしないよう平行に移動させましょう。

お尻や太ももの引き締め、姿勢の改善、腹部の活性化に効果的です。

5.クンバカーサナ(板のポーズ)

息を吸いながら、頭からかかとまで一直線になるようなイメージで左足を後ろへ引いて右足に揃えます。このとき、足は腰の幅程度に開いておきます。

体幹の強化、代謝アップ、二の腕・お腹の引き締め、姿勢改善に効果が期待できます。

6.チャトランガ・ダンダアーサナ(四肢で支える杖のポーズ)

息を吐きながら、肘を曲げて胸とひざをゆっくりと床につけていきます。ちょうど、腕立て伏せをするようなポーズですね。腕の力だけで支えようとすると手首や肩をケガする可能性があるので、キツイ人は膝を床についてもOK。

腕・腹部・背中・お尻など、全身の筋肉を使って姿勢を保持するので、全身のシェイプアップに効果的です。

7.ウルドワ・ムカ・シュバナーサナ(上向きの犬のポーズ)

息を吸いながら、つま先を寝かせて肘をピンと伸ばします。上半身を起こし、なるべくお腹を床から浮かせます。顔は天井を向き、視線も上へ。

下半身を床から浮かせられない人は、肩を回し下げ、足の甲で床を押すイメージでやってみましょう。背筋全体の強化や体幹強化に効果的です。

8.アド・ムカ・シュバーナーサナ(下向きの犬のポーズ)

息を吐きながら、お尻を天井に向かって突き上げます。頭からお尻まで一直線になるようなイメージで。膝を伸ばすのが難しい場合はかかとを少し上げ、膝を軽く曲げてOK。横から見ると、山の形をしています。

下半身の強化、むくみ解消、姿勢改善、リラックス効果があります。

9.アルダ・ウッターナーサナ(半分の前屈)

右足を大きく前へ踏み出し、足を手の間にそろえます。 4.アルダ・ウッターナーサナ(半分の前屈)と同じです。

10.ウッターナーサナ(前屈)

3.ウッターナーサナ(前屈)と同じ。

11.ウールドヴァ・ハスターサナ(両手を強く上に伸ばすポーズ)

2.ウールドヴァ・ハスターサナ(両手を強く上に伸ばすポーズ)と同じ。

12.タダーサナ(山のポーズ)

最初の山のポーズに戻り、両手を胸の前に合わせて合掌し、終了です。

ヨガのポーズについてはこちらの記事からも!

太陽礼拝はいつ、どのくらいしたらいい?

太陽礼拝は基本的に、1日に何回行っても問題ありませんが、「たくさんしなければ意味がない」ということもありません。最初は自分に無理のない範囲で行い、体調や気分に合わせて調整していきましょう。

おすすめとしては、1日5~6回。続けて行うのではなく、時間帯に分けて行いましょう。全身が温まり、心身に活力がみなぎりますよ。

ポイントは、時間帯に分けて動きや呼吸を変えることです。朝の太陽礼拝ではジャンプインを入れ呼吸も力強くし、1日を元気にスタート。夜の太陽礼拝ではスローな動きで呼吸も長く細くし、心地良い眠りへ。

自分の生活パターンに合わせて調整してみてください。

太陽礼拝を行う際のポイント

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太陽礼拝を行う際は、以下4つのポイントに意識しましょう。

①足が内向き・外向きになってしまうと、体の歪みを引き起こします。立つときは、足をまっすぐに保ちましょう。

②各ポーズは、手本通りにしなければならないということはありません。痛みをガマンしたり、無理に体を曲げ伸ばしたりするとケガをします。自分のスピード、リズムで行ってください。

③朝の太陽礼拝やヨガ前の太陽礼拝は、血流を促し体を温める効果があるので、ウォーミングアップとして最適です。

④太陽礼拝では、呼吸に合わせてポーズを移行します。呼吸が浅かったり早かったりすると、ポーズの移行も乱れてしまいます。深くゆっくり呼吸し、滑らかに移行することを心がけましょう。

まとめ

太陽礼拝

太陽礼拝はヨガの基本的な一連のポーズであり、太陽が1年かけて黄道十二宮を1周することに由来します。前後の4つは同じポーズなので、初心者でもすぐに覚えられるでしょう。呼吸に合わせて流動的にとる12のポーズには、心身にリラックス効果をもたらすだけでなく、不定愁訴の改善や美容・ダイエットの効果も期待できます

太陽礼拝の頻度にルールはありませんが、たくさんやれば良いというワケでもありません。おすすめは、1日に5回~6回程度です。朝行えば体が活性化され1日を元気に、夜やれば安眠効果が期待できます。自分のコンディションに合わせて調整していきましょう。