2022,02,08ヨガ

ヨガの呼吸の効果と種類について|実践における注意点とは

ヨガをする上で、呼吸は非常に重要なポイント。ヨガのポーズをとりながら正しく呼吸することでヨガの効果をさらに高めることができるからです。ヨガの呼吸法にはたくさんの種類があり、体にもたらす効果もそれぞれ異なっています。

ヨガの呼吸法を極めれば、体の隅々に活力がみなぎり、毎日元気に過ごすことができます。この記事ではヨガの呼吸法について、効果や種類、実践方法などを解説します。ヨガ初心者でまだうまく呼吸ができない方は、ぜひチャレンジしてみてください。

ヨガではなぜ呼吸が重要?

ヨガにおいて呼吸は「プラーナ―ヤーマ」といいます。プラーマーは「気」や「生命エネルギー」、ヤーマ(アナヤーマ)は「制御・抑制」を意味します。ヨガはもともと悟りを開くための修行法でした。姿勢(ポーズ)や呼吸を組み合わせることで体中に気や生命エネルギーを巡らせ、心身の安定を図っていたのです。

ヨガの呼吸法には、体に良い以下の効果をもたらします。

自律神経のバランスを整える

ヨガの呼吸法の基本は、深くゆっくり吸ったり吐いたりすること。この呼吸法を繰り返すことで副交感神経が刺激され、自律神経のバランスが整います。自律神経が安定すると、安眠やストレスの緩和など、リラックス効果が期待できます。

インナーマッスルが鍛えられる

ヨガの呼吸法では、背中にあるインナーマッスル(深層筋)である「脊柱起立筋」が鍛えられます。このインナーマッスルを鍛えると腰痛や肩こりの解消や、ポーズをとりやすくするといった効果が期待できます。また筋力がアップすることで基礎代謝もアップし、太りにくい体になるといった嬉しい効果も。

血流が促進される

ヨガの呼吸法では、普段無意識に行っている呼吸よりも多くの酸素を体内に取り込むので、血液に酸素を十分に行き渡らせることができます。よって血流が促され、冷え性や肩こりの解消、免疫力アップといった効果も期待できます。

ヨガの呼吸法の種類と実践方法

ヨガの呼吸法は、健康な体作りに大いに役立つことが分かりました。しかしヨガの呼吸法にはたくさんの種類があるので、特にヨガ初心者は「違いや効果が分からない」、「どの呼吸をどんなふうにしたらいいの?」と思うことがあるでしょう。

ここからは、ヨガの基本的な呼吸法と代表的な呼吸法について解説します。

まずは基本から!

ヨガの呼吸の基本は、鼻から吸って鼻から吐くこと。鼻呼吸や自然呼吸ともいいます。鼻呼吸は口呼吸よりも多くの酸素を取り込めるとされ、空気中のウイルスが体内に入り込むのをブロックしたり、喉の乾燥を防いだりするなど、メリットが多い呼吸法です。初心者はまず鼻呼吸を意識的に心がけてみてください。

腹式呼吸

ヨガの呼吸法の中でも、基本中の基本である複式呼吸。血流やリンパの流れを促したり、リラックス効果をもたらします。瞑想にも適した呼吸法です。

《やり方》

⇒鼻からゆっくり息を吸ってお腹を膨らませ、口からゆっくり長く吐く。

胸式呼吸

胸式呼吸は、胸に酸素を取り込む呼吸法です。肋骨周りの筋肉が刺激されることで脊柱の歪みを正す効果があるといわれています。

《やり方》

⇒アゴを引き、背筋を伸ばして鼻からゆっくり息を吸いながら、お腹ではなく胸に酸素を取り込み、口からゆっくり吐く。

片鼻呼吸

片方の鼻の穴を塞ぎ、左右で交互に呼吸する呼吸法です。左鼻で吸うと副交感神経を刺激し、右鼻で吸うと交感神経を刺激するといわれており、左右交互に呼吸することで自律神経のバランスを整える効果があります。片鼻呼吸はポーズをとりながら行うことはなく、呼吸単独で行います。

《やり方》

⇒左の鼻の穴を指で押さえて塞ぎ、右の鼻からゆっくり息を吸ったら、右の鼻の穴を指で押さえ、左の鼻の穴から吐く。これを左右交互に繰り返す。

ウジャイ呼吸

胸式呼吸の一つで、吸ったり吐いたりするときに喉の奥でシューッという音を出します。血行促進や内臓の活性化などの効果があるといわれています。

《やり方》

⇒喉の奥を引き締めるようにシューッと音を鳴らしながら吸い、同じように音を鳴らしながら吐く。お腹に息をためるのではなく、胸にためる。

カパラバティ

フッフッフッフッと、リズミカルに連続して強く息を吐く呼吸法です。肺や腹筋を動かすので、血行促進やお腹の引き締めに効果があるといわれています。ただしカパラバティ呼吸は体への負担が大きい呼吸法なので、妊娠中の人や高血圧、心臓疾患を抱えている人は行わないでください。

《やり方》

⇒鼻から息を吸いお腹を膨らませたら、鼻からフッフッフッフッとお腹をへこませながら吐き出します。最初はゆっくりで構いません。慣れてきたら1分間に120回程度できるよう徐々に早く呼吸していきます。

シータリー呼吸

これまでの鼻から吸う呼吸法とは違い、シータリー呼吸は口から吸って鼻から吐く呼吸法です。シータリー呼吸は冷たい空気を体内に取りいれる呼吸法なので、体温を下げる効果があるといわれており、眠気覚ましや気分転換に効果的です。

《やり方》

舌をストローのように丸めながらゆっくり息を吸い、鼻からゆっくりと吐き出す。

ヨガの呼吸についてもっと詳しく知りたい方はこちらから

ヨガの呼吸法の注意点

ヨガの呼吸法を実践するときは、意識したいポイントが3つあります。これらのポイントを抑えながら呼吸をすれば、ヨガの効果をより高めることができるでしょう。

姿勢を整える

姿勢が崩れていると、胸やお腹に酸素を十分に行き渡らせることができません。最初はまず、ヨガの基本姿勢「安楽座(あぐら)」から始めると良いでしょう。骨盤がまっすぐに立つことを意識することが大切です。

身体の力を抜く

体に余計な力が入っていると、呼吸が浅くなり十分に酸素を取り込むことができません。特力が入りやすいのは肩。緊張すると、無意識的にいかり肩になってしまうことが多いので注意しましょう。

呼吸に集中する

ポーズに慣れないうちは、呼吸が止まったり浅くなったりします。また、違うことを考えたり何かに気を取られたりすると集中力が途切れ、呼吸がおろそかになってしまいます。ポーズをとるときは呼吸に集中しましょう。目をつぶるとより感覚が研ぎ澄まされます。

まとめ

ヨガの呼吸法にはさまざまな種類があり、得られる効果も異なっています。いろいろな呼吸法をマスターすると、体調に応じて使い分けられるようになり、より健康増進を図ることができるでしょう。ヨガ初心者はまず、基本の腹式呼吸を覚えることから始めてみてください。

ヨガの呼吸を正しく実践することは、ヨガの効果をより高めます。逆にいうと、呼吸がきちんとできていなければ、どんなにキレイにポーズをとっても効果が得られにくくなります。正しい呼吸法を身に付け、ヨガの効果を実感してください。