アスリートこそヨガをしよう!
コラムニスト 愛
ヨガっていうと女性がダイエットのためにするものというイメージも強いかもしれません。
美容に良い、健康にいいという理由で、ヨガスタジオもたくさんできました。
それと同時に多くのアスリートがトレーニングに取り入れています。
ヨガって何?
ヨガはインドから伝わったもので、その昔は男性僧侶がする修行でした。今の様にポーズにフォーカスするようなものではなく、瞑想をしたりする精神的なものでした。
近代に入ってハタヨガが確立され、ポーズを中心としたヨガが行われるようになりました。しかし現在でもヨガの最終的な目的は悟りを開くことにあります。
ヨガに出会う前―負けず嫌いでプライドが高かった
私は子供の時からスポーツをしながら育ちました。スポーツが好きで活発な女の子の印象もある子供だったと思いますが、実際は強気だったけれどもいつも負けるのが怖い泣き虫でした。強くいるために、休まず無理な練習をすることを美徳と勘違いしていました。
練習のし過ぎもあったでしょうが常に体が疲れていて、風邪をひきやすくイライラしていることも多かったと思います。休んだらみんなに抜かされるという不安が常にあっていつも誰かと自分を比べていました。
ヨガに出会ってからー負けた自分を褒めてあげられるようになった
カナダにいた時に初めてヨガに出会いました。
ジムで開催されているヨガレッスンにストレッチクラスに出るような感覚で参加したら、レッスンの後すごく爽快感がありました。気がつけば、週に数回レッスンを受けるようになっていきました。はじめは、ただストレッチクラスのような感覚で受けていたのですが、数か月たつとそれ以上の効果を持っていることに気づきました。
まず、迷うことが少なくなってきていたし、自信が持てるようになってきました。他の人の事もあまり気にならなくなって、自分らしくいられるようになりました。
さらに数年続けると、風邪もほとんどひかなくなっていました。また、怪我もしにくくなりました。
その理由には自己肯定感があると思います。疲れたら自分を休ませてあげられる。無理をせず、自分の実力を受け入れられるようになりました。
アスリートにとってのヨガとは
本来のヨガは悟りを得るための修行でしたが、現代では少しずつ変わってきています。賛否両論あるところですが、現代では美容や健康、パフォーマンスの向上のためのヨガをする人も増えています。
スポーツ選手でもイチロー選手や錦織圭選手、長友佑都選手がヨガをトレーニングに取り入れています。
ある一つのスポーツだけを続けて行っていると、筋肉や姿勢に偏りが生じます。右だけもしくは左だけ筋肉が大きくなり、放っておくとその筋肉が硬くなって全体のバランスが崩れていきます。ヨガをすることで柔軟性が増し、左右のバランスが良くなって怪我をしにくい体を作ることができます。また体幹が強化されるため、パフォーマンスが向上します。
アスリートはトレーニング中、勝つために必死で練習します。交感神経が活発に働き戦闘モードになっています。しかし私たち動物は常に戦闘モードで生活していると、どこかで燃え尽きてしまいます。ヨガを取り入れ自分の呼吸だけに集中して体を動かすことで自己肯定感や、リラクゼーション効果が得られます。良く眠れるようになり、精神的に余裕を持つことでパフォーマンスが更に向上します。
アスリートほどヨガをするべきーー私を助けてくれたのはヨガだった
私自身だいぶヨガに助けられてきました。体幹と柔軟性のお陰で大きな怪我なくここまで来られました。毎晩ぐっすりと眠れるし、一番になれなくても幸せにスポーツを楽しめています。
私はできるだけ多くの人がスポーツを楽しめる社会であってほしいと願っています。
オリンピックの目標には、「スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てること」とあります。スポーツを通してかけがえのない仲間を得たり、お互いに助け合ったり、努力が実るという喜びを得たりすることで私たちは人間として成長していけると信じています。
ヨガを取り入れることで、多くのアスリートができるだけ長く幸せにスポーツを続けていけるように願っています。